Caran d'Ache エクリドール XS レトロ ローズゴールド JP0896-RRG

エクリドール XS レトロ ローズゴールド

スイスの筆記具メーカー Caran d'Ache から、手のひらサイズの短いボールペン「エクリドール XS レトロローズゴールド JP0896-RRG」を購入しました。実際に購入したのは約1年前ですが、ようやく思い出して使い始めたのでレビューします。

これは何?

スイスの筆記具メーカー Caran d'Ache によるボールペンで、ブランドの高級ラインのひとつである「Ecridor (エクリドール)」のうち、 10 cm 弱という短い全長の「XSシリーズ」のモデルです。

エクリドールは鉛筆からヒントを得た六角形のボディに繊細な彫刻が施されているのが特徴です。本商品では「レトロ」と呼ばれる「1947年、当時ドイツに駐留していたアメリカ空軍の特別注文の際に作られたパターン」(参考)が施されています。

シリーズではシルバー925やロジウム鍍金、パラジウム鍍金など銀色のモデルがメインに展開されていますが、本製品はそのなかでは珍しくローズゴールド鍍金(地金は真鍮)が採用されています。日本の企画によって国内のみ・350本限定で生産された商品です。

所感

昨年12月に購入していたものの、すっかり忘れていて1年ほど経ったあとで開封しました。通常、エクリドールはシルバーの酸化を防ぐために密閉された袋で保護されているのですが、本製品ではローズゴールドのためか箱のなかに裸のままで入っていました。開封時、表面に黒っぽい染みのようなものが見られましたが、柔らかい布で拭いたところきれいに落ちました。 1年後では交換も受け付けてもらえないでしょうから、不良品ではなくてよかったです。

第一印象としてはかなり小さく感じました。そういえば、「XS」でない通常のモデルも全長 13 cm 弱と小柄でした。本製品はさらに約 3 cm も短い 10 cm 弱で、手のひらに収まるサイズ感です。しかし、それで使いづらいということはなく、金属の適度な重さと六角形のグリップのしやすさで快適に使用することができます。

ローズゴールドのボディと、それに彫刻された「レトロ」パターンは上品で素敵です。パターンは細い直線が斜めに交わって構成され、その線の細さが華奢な印象を与えます。ただ、荒く深い彫刻のモデルと比べると、指紋がすこし目立ちやすいかもしれません。

前述した長さと後述する替芯以外については通常モデルと同じです。カランダッシュのボールペンの特徴のひとつが静かなノック感ですが、本製品でもそれは同じでした。一般のノック式のボールペンは繰り出し時にカチカチとした音が鳴ってしまいますが、カランダッシュのボールペンではそれが最小限に抑えられています。個人的にお気に入りの点のひとつです。

クリップも同様に通常モデルと同じです。短いボディに通常サイズのクリップが乗っており、そのアンバランスさが可愛らしいです。しかし、このクリップを普段使いするのを個人的にはあまりおすすめしません。エクリドールの別モデルですが、筆者がスーツの内ポケットに挟んで使っていたところ、数年のうちにだんだんクリップが閉じなくなってしまいました。修理にはスイス本国送りとなり日数と費用もかかると言われ、今は修理せずそのままにしてあります。

さて、本体の長さ以外では使用できる替芯が異なります。通常モデルでは約 8 km の筆記距離を誇る「ゴリアットカートリッジ」が対応しますが、本製品には長さが合わず対応しません。代わりに専用カートリッジが用意されています。これはいわゆる「4C規格」(正式には ISO 12757-1:2017 および JIS S 6054:2020 の type D)に互換するもので、そのため同規格のものであれば他社のリフィルも使用可能です。

本製品はすでに廃盤のようで、執筆現在(2022年12月22日)では公式サイトにも掲載されておりませんでした。また、本製品に限らず「XSシリーズ」はラインナップしていないようです。この上品かつ高品質で使いやすいミニボールペンは他にはないので、本製品のように限定品というかたちであっても、再度復刻されてほしいと願います。

手に入れられる場所

筆者はペンハウスというオンラインショップで購入しました。商品ページはこちらですが、すでに売り切れたあとリンク切れとなってしまっています。

なお、廃盤のため、公式サイトにも掲載されておりません。

その他

  • 購入金額:21,560円(消費税込み)。
  • スケジュール:
    • 2021年12月3日:pen-house.net にて注文。
    • 2021年12月10日:発送。
    • 2021年12月11日:着荷。
    • 2022年11月12日:撮影。
    • 2022年12月22日:執筆・投稿。